【竜操教室 塾長日記】過去問なんてまだまだ先でいいですから。

「過去問って、そろそろ解き始めた方がいいですか~?」 そんなふうに聞かれることがありますが――


いやいや、まだまだ早すぎますよ。


もちろん、「どんな問題が出てるのかな?」と軽く目を通すくらいなら、いつでも構いません。 


でも、時間を計って、正答率を気にして、真面目に取り組むなら――それは12月に入ってからで十分なんです。


そもそも、過去問を解く目的って何でしょう?


塾長が考える目的は、主に以下の3つ。


 ① 問題の傾向やレベルを把握する

 ② 時間配分を考える

 ③ 正答率の変化を追う


そして、今の時点で過去問をやってみることで、この3つを達成するには、どうしても避けられない壁があります。 


それが「未履修単元の存在」です。


塾によっては「夏休みからでも遅すぎる!」なんてブログに書いているところもありますが、今の時点では、まだまだどの教科も未履修の単元が多すぎます。 


傾向やレベルの確認はできても、時間配分や正答率の分析は、正直言って不可能なんです。


ましてや、本番の入試の正答率と比較して「できた」「できなかった」と言うのは、ちょっと筋違い。


じゃあ、入試対策はどうすればいいの? ――と思われるかもしれませんが、以前からお伝えしている通り、岡山市内の公立中学校では「自己診断テスト」が実施されています。


この結果の推移を追うことで、十分に対策ができるのです。


自己診断テストの問題内容を見れば一目瞭然なのですが、このテストは前年度の県立高校入試問題を強く意識して、ほぼそっくりに作られています。


出題形式、問題数、難易度――すべてがぴったり合わせてあるんです。


数年前、入試問題が冊子形式になったときも、解答用紙のサイズがB4からA3に変わったときも、翌年の自己診断テストは完璧にそれを再現していました。


さらに、自己診断テストは実施直前までに習った範囲から出題され、未履修の単元は出題されません。


だからこそ、毎年毎年、年度を重ねるごとに、これほど参考になる資料はないのです。


欲を言えば、市内の多くの学校が同じ問題を受けているのだから、全体の順位や偏差値などのデータも公開してくれたら完璧なんですけどね……。


 そこはちょっと、大人の事情があるようで。仕方ありません。


ともかく―― 過去問なんて、まだまだ先でいい。 


これだけは、はっきりと言えることです。

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