【塾長日記】数学は試行錯誤してなんぼ。まず実際にやってみることが大事です。
中学生の方程式の問題で、
十の位の数と一の位の数を足すと8で、それぞれを入れ替えた数はもとの数より36大きくなる。
みたいなやつがあります。
正解の解き方としては、十の位の数とx、一の位の数をyとおいて、方程式をつくるわけですが・・・
答を出すだけで良ければ、方程式なんて要らないですよね。
実際、足して8になる組み合わせって、0と8、1と7、2と6、3と5、4と4しか無いですもん。
あとは17→71、26→62、35→53の中で36大きくなるのを見つけたら終わりです。
え?方程式使わなくていいんですか?という生徒が居ますが、使えるのなら使った方が良いですよ。
だって、問題を作っている人も、それを教える人も、”方程式”を教えたいわけですから、その方がお互いにスムーズです。
でも、答を出したいだけなら、答が出ればいいじゃないですか。
実際に当てはめてみて答を出すというのも、立派な答の出し方ですし、こんな問題だったら当てはめた方が楽だったりしますしね。
そういうのを臨機応変にできることも数学の力のひとつですし、もっと大きな話で言うと、生きていく力というものにもつながる話だと思います。
高校数学の三角比の問題でもこんなのがあります。
△ABCで、b=√2 c=√3-1 A=135°のとき、残りの角の大きさを求めよ。
余弦定理と正弦定理の応用問題なので、もちろんその公式を使って解くことができないと困るんですが。
でもですね。
A=135°ってことは、残りのBとCは合わせても45°しか無いことがわかるじゃないですか。
正弦や余弦に出てくる角は、30°、45°、60°って決まってるわけですから、その時点でBとCのどちらかが30°で、もう一方が15°だってわかっちゃいます。
あとは、図を書いてみて、√2と、√3-1のどちらの方が長いかがわかれば、答は書けるんです。
余弦の面倒な計算をする必要は無いってことです。
え~?そんなん、ズルくないですか~?と言いますけどね。
どうやって答を出すか、工夫するからこそ数学なのであって、セオリー通り解けないから答もわからないというのではダメなんですよ。
答はひとつしか無いとしても、そこに至る道はひとつではないのです。
正解とされる道を覚えることも大事ですが、それがわからないときに、いろんな方法を試行錯誤できる力こそ、数学の本当の力だと塾長は思います。
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