【塾長日記】英語の授業をすべて英語でやるって、まさか公立中学のことではありませんよね?
この前も、東ロボ君の記事で書いたのですが、
文科省の人は、本当に町場の普通の公立中学校の授業の現状、中学生たちのレベル、そして教えている先生のレベルがわかっているのかとても心配に思います。
今までも確か、中学3年生で英検3級取得レベルを目指す・・・ということだったはず。
それも全体の50%程度という話ですよ。
で、実際には取得できるレベルの生徒が全体の3割にも満たないという散々な結果なのが今の現状です。
それを、何の根拠もなく、今度は英検準2級取得などという目標に引き上げようとしているのです。
いや、そりゃあ上位層は良いでしょうよ。
岡山でも、国立、県立、私立中は、そういう高い目標を目指して、オール英語だけの授業を週に6時間でも7時間でもやったらいいんですよ。
そして、それこそ日本をしょって立つグローバルな人材に育ってもらえばいいと思いますよ。
そのための特別な学校ですから。
でも、そういう学校でも、全員が準2級を取れるレベルなのか?と言われれば、そんなことないですよね。
今でも、試験で選抜した優秀な生徒に、ネイティブも加えた充実した英語授業を週に6,7時間もやっているのに、それでやっとなんとかってとこじゃないですか?
こんな現状にも関わらず、義務教育ですべてのレベルの生徒が通うことになる公立中学校に、突然そんな高いレベルを要求するのは、明らかに間違いです。
できっこないですよ。
会社勤めをしていた時、”そんなもんできっこないですよ”と言ったら、すぐに上司や同僚から糾弾されたことを思い出します。
”できっこない”ではなくて、できるようにする方法を考えるのがお前の仕事だ!ってことですね。
それは確かにその通りだと思います。
でも、だったらまず無理な計画を立てた自分が率先して実行可能なアイデアを出せよ!とも思うんですよね。
無理そうな高い目標を掲げるだけだったら誰だってできます。
問題は、それをどうやって実行するかということです。
そして、その一番大事なところは、指揮官が適当にお茶を濁したあげく、現場の”駒”に丸投げされるんです。
今回で言えば、英語の授業改革は、結局現場の英語の先生に丸投げじゃないですか。
無理難題を丸投げしておいて、今さら、準1級を持っている先生が全体の28%しか居なくて、あとは能力不足の役立たずばかり!と文句を言うことないじゃないですか。
そんなこと、前からわかっていたくせに。
もし現場の先生たちが、皆頑張って2級や準1級を取得したら、中学3年生が今よりも大勢準2級に合格できるようになるんですか?
そこ、本当に関係あります?
週に4回か5回の授業をすべてネイティブの先生が担当して、100%英語で授業をしたら、本当に準2級合格者が増えるんですか?
問題はそこじゃないと思いますよ。
そもそも静かに、落ち着いて授業を受ける環境が整ってますか?
授業中は集中して内容を理解しようと努めていますか?
宿題を出したら、それをちゃんとやってくる姿勢ができてますか?
予習や復習など、家での学習時間が確保されてますか?
現場の先生が闘っているのは、そういう戦場なのです。
そういう戦場では、準1級を持っているかいないかの優先順位はけして高くないと思います。
まあ、塾長は丸投げされた当事者ではないので同情するのみですけど。
可哀そうなのは、社会出てからも一度も使う機会も必要も無いかもしれない英語を、バリバリに活用するつもりの人たちと同じレベルで学ばされる子供たちと思います。
いずれ必要になる人は必要に応じてそのレベルで喋れるように努力するでしょうし、必要でない人は喋れなくても特に困らないです。
英語なんて、ただの言葉じゃないですか。
上から下まで全員均一でやらなくても、義務教育内でも選択性にするとか、もっと中上位層にスポットを当てたメリハリのある改革にできないのだろうかと思います。
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