【塾長日記】分数には、割合の意味と数字の意味の2通りの使い方があることを知らない子供たち。

分数が苦手という生徒には、必ず同じ質問をすることにしています。


まず、数直線を書きます。


0からスタートして、1と2までの目盛りを書いて、直線は-0.5ぐらいから2.5ぐらいまで中途半端に書いておきます。


そのうえで、


「はい、この数直線で、”2分の1(1/2)”の場所はどこでしょう?」


と聞くと、”1”のところを指さす生徒、めっちゃ多いんです。


「そこは”1”でしょ? 2分の1だよ。」


と言うと、悩んでしまうんですね。


数直線を0から4まで書いて同じ質問をすると、今度は”2”を指さします。


要するに、2分の1というと、”半分”というイメージなんですね。


これは、割合の1/2であって、けっして数字の1/2ではありません。


日常生活で登場する”2分の1”と言えば、実は”半分”と同じ意味で使われていることがほとんどなので、分数は数字としてではなく、すべて割合的な意味でとらえてしまっていることが間違いの原因です。


割合の意味で分数を使う場合は、必ずその分数の前に、もとになる物があるはずです。


””お小遣い””の2分の1とか、


””ケーキ””の3分の2とか、


必ず、”〇〇の”という言葉があるのが、割合の意味で使う分数。


一方で、数字の意味で使う分数には、この”〇〇の”という言葉が必要ありません。


例えば数字の1/2は、1÷2という式を表しています。


小数に直すと0.5のことですから、数直線上では常に0と1の真ん中になります。


強いてあげるなら、数字の場合は”1の”2分の1ということになるのですが、いちいちそんな風には言いませんからね。


分数や割合のことが理解できている人にはごく当たり前のことですが、多くの子供たちにとってはけっして当たり前のことではありません。


小学生はもちろん、中学生でも、割合の1/2と数字の1/2の区別があやふやになっている子はかなり存在しているように思います。


小学校の算数の教科書を見ても、ここをはっきり区別して教えているように思えないんですよね。


3年生で分数が登場する時に、必ず、”1mの”3分の1とか、”1Lの”4分の3とか、”〇〇の”をくっつけて割合風に教えておきながら、いつの間にか計算するときには、数字の1/3とか、3/4に置き換えてしまっているのです。


分数の割合をちゃんと習うのは6年生になってからですが、その時にも、数字の意味の分数と、割合の意味の分数を区別して教えているようには思えません。


小数ならば、数字は0.5ですが、割合の時は”0.5倍”という風に”倍”が付くので、教えられなくても区別できるんです。


でも、分数はどちらも”2分の1”ですから。


割合と分数が苦手な子は、まずその区別をしっかり意識させてあげることが大切と思います。


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