【塾長日記】最終目的が何なのか、今自分は何のためにこれをしているのかを考えていますか?
問題集での問題演習を自学させていると、少し難しい問題にぶつかって悩み続けることがあります。
1時間の自学自習の最初の方でこれに捕まって、1時間ずっと考え続けて、やっと答にたどりついた・・・
なんてこともあるでしょう。
時間が際限なく使えるのであれば、これはなかなか素晴らしいことです。
難問を1時間も考え続けるなんて、根性があります。
でもですね。
忙しい高校生は、時間を際限なく使えるわけではありません。
他の教科の予習復習に課題、そして部活。
ゲームやテレビ、友達と遊ぶ時間だって必要でしょう。
そうなると、よほどの数学マニアでない限り、数学だけにたっぷり時間を割くことはできないと思うのです。
それでも、進学校の生徒なら、無理やり時間かけないとダメですけどね。
まあ、それはおいといて。
普通の高校生で言うと、数学にかけられる時間は限られているわけで。
そうなると、果たして1時間もかけないとわからないような問題を延々と考え続けることにどれほどの意義があるのかを見極めなければいけません。
もしかすると、1分で解けるような問題を60個解き続けて、それらをさらに早く、正確に解く練習を繰り返した方が、模試の点数を上げられるかもしれないのです。
模試では、最初の方のやさしめの問題にもそれなりの配点があります。
逆に言うと、すごく難しい問題だからと言って、すごく高い配点とは限らないのです。
平均点付近をベースに考えた場合、難しめの問題をできるようにする努力と、簡単な問題を落とさないようにする努力では、後者の方がより点数UP効果が高いことの方が多いでしょう。
つまり、何が言いたいかというと、
数学では、ぱっと見てその解き方の方針が思い浮かばないような問題を、延々と考え続けるのは学習効率が悪いということです。
いや、難しい問題を考えることは大切です。
大切ですが、効率的ではない。
大切ですが、優先順位は低い。
そういうことです。
難しい問題を1時間も考えると、めっちゃ勉強した気になります。
おまけに、最後には自力で解けたりすると、ものすごく頭が良くなった気がします。
注意してほしいのは、あくまで気がするだけだということ。
中学、高校の時点で、勉強ができるようになったかそうでないのかを判断するのは、定期テストや模試の結果以外にありません。
1時間かけて1度解けたからと言って、次にテストで出題されたときに、その時間内で解けなければ意味がありません。
しかも解けたとしても1問の配点はそれほど大きいものではありません。
そんな時間があるのなら、まずは解き方のわかった問題を、100回解いても絶対に間違わないレベルにまで磨き上げる方がよほど大切です。
数学は、順を追って階段を上るように難しくなっていく科目です。
実は、解き方のわかる範囲を、100回解いても間違わないレベルに磨き上げることで、次のステップを簡単に登れるようになることも多いわけで・・・。
それを曖昧にしたまま登ろうとするから、だんだん無理になってくるんですよ。
人にはそれぞれ今のレベルがあります。
それぞれのレベルにおいて、磨き上げないといけないものは違うので、一概には言えないのですが、少なくとも1問を1時間も考え続けないといけないというのは、ちょっと自分の今のレベルを超えていると考えた方が良いと思います。
それでもやらないといけないのであれば、延々と考えるのではなくて、答を見る、友達や先生に聞く、最終的には答を写すなどでいったんやり過ごすことも考えてほしいのです。
答を見るとか、答を写すとか、やらないですっ飛ばすとか。
小学生の頃から、そういうことはしちゃダメよ!と言われ続けているからなのか、そういう勉強のやり方に抵抗があるんでしょうか。
要するに、
今問題を解いているその最終目的が何なのかを忘れてしまっている生徒がとても多いのです。
自分は今、何のために、何をしなければいけないのか、もう少し自分自身で考えて行動するようにしてほしいと思います。
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