【塾長日記】なんかもっと簡単な解き方無いっすか?

そんなもんね~よ。
あっても、あなたには教えない!


いやね、数学を教えていて、一番頭にくる質問のひとつがこれです。


以前も言いましたが、この質問がよく聞かれるのは、数Aの場合の数や確率のところです。


例えば、サイコロを3つ投げます。


数学ができる人というのは、こう言われただけですでに心の中でガッツポーズですよ。


だって、どんなに数えても最大で6×6×6の216通りしかないんですから、樹形図でもなんでも、最悪ノートにすべて書いたってたいした数じゃないからです。


問題で多少複雑なことを言われても、考えられる具体例を書いていけばいつか解けるじゃないですか。


それに、実際に具体例を書いている途中で、その先を書かなくても計算できることに気がつくわけで。


数学ができる人というのは、そうやって自分で試行錯誤してみることで、ひとつひとつの問題の解き方や考え方を身につけていくのです。


つまり、正しい道へ導いてくれるのは、”自分の経験値”ということになります。


その過程の中で、自己流で問題を解く面倒さをちゃんと理解しているからこそ、もっと簡単な解き方とか、公式を使うというような工夫が自然に身についていきます。


ところが、数学を得意でない生徒というのは、必ず近道をしようとします。


考えられる最短の方法を考えようとするので、結局それを思いつくことができずに、問題を解けないということになります。


答と解説を見ても、なぜそこでPを使うのか、Cを使うのか、さっぱり理解できません。


当然、やってもやっても(と本人は思っているだけ)、全然試行錯誤をしていないので、経験値がたまるはずもなく、問題が解けるようにはならないのです。


急がば回れと言いますが、問題の解き方にしても公式にしても、どうしてそうなるのかという理屈の部分を知らなければ、実際には使いこなせません。


だから、自分でする苦労を知らないのに、簡単な解き方や公式の存在を教えられてもすぐに忘れちゃうんですよ。


そもそも、面倒だけどやればできるのかというと、実際には面倒な方法でもできないんです。


サイコロを3個投げた時の樹形図を書いてみろって言うと、書けなかったりします。


面倒なのと、できないのとは全然違うのに、自分でも区別がついていないのです。


そういう間違った考え方で何年もやってきたら、そりゃあ数学ができなくなるはずだと思います。


この考え方のところをまず矯正していかないと、いくら時間をかけて問題集をやっても無駄なので。


そこからですよ。



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