【竜操教室 塾長日記】545倍を勝ち抜くのは相当厳しいでしょう。
昨日テレビでやっていたのですが、バブル崩壊後の「就職氷河期世代」に限定した兵庫県宝塚市の正規職員採用試験の1次筆記試験で、3人の募集に対し1635人が受験し、競争倍率は545倍になったのだとか。
その中で、非正規雇用がずっと続いて苦しい生活を送っている人の実情みたいなのが紹介されていました。
今、現実に苦しい生活をされている人たちを社会全体で何とか救ってあげよう!というのは当然の感情として、それはそれとして、実際にこうした生活困窮者の実情は、未来のある中高生にこそぜひ理解して欲しいと塾長は思います。
我々が子供の頃に比べれば、将来の職業選択につながるキャリア教育は今、大変充実していると思います。
ただ、そこにひとつ欠けているものがあるとすれば、経済的な観念なんです。
好きなもの、向いているもの、やりたいもの。
そういう視点で将来を考えることはとても大切ですが、いったい仕事は何のためにやるのか、それを深く教えていないように思います。
仕事は、生きていく糧です。
賛否があると思いますが、個人的には、いくら稼げる仕事なのかを考えもせずに、仕事を選ぶというのはあり得ません。
生きていくのに必要なお金、あわよくば、楽しい人生を送るために必要なお金を稼ぐことが仕事の一番の目的と、塾長は思います。
そして、そうした稼げる仕事に就くための可能性を広げる手段として、中学や高校、そして大学での勉強があるのだと思っています。
社会に出るということは、まず自分の食い扶持を自分で稼いで、経済的に独立することです。
そのための準備期間が学生時代であって、社会に出るための努力を何にもしないで、ただ学校を卒業すれば自動的に生活費を稼げるようになるわけではないのです。
何のために働いて、何のために勉強するのか。
その根本的なところが、恵まれた環境の中に居る子供たちには全然伝わっていません。
テレビで、いくら生活に困窮している人を見ても、完全に自分とは別世界のものだと思っています。
そもそも、将来自分が思い描いているような生活をするためにはどの程度稼がないといけないのか。
そのためにどんな仕事に就かないといけないのか。
その仕事に就くためには、今どんなことを頑張っておかないといけないのか。
そういうことを考える機会が無いのです。
非正規雇用がどんどん増えているのは企業や政治の問題かもしれませんが、その流れの中で自分がどう生きていくのかは、まさに自分の責任ですからね。
それを、もっともっと学生たちに理解してもらわねばと思います。
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