【竜操教室 塾長日記】自分しか持ってなければ良いのだけれど・・・
ドラえもんのひみつ道具に「アンキパン」というのがあります。
あまりに有名なので説明不要と思っていましたが、なにせ最近の生徒たちは「ドラえもん」自体を知らない子も珍しくないので、一応解説すると……。
アンキパンとは:ノートや教科書に押し付けて内容を写し、それを食べることで一瞬で暗記できる食パン。
テスト前にはぜひ手に入れたい夢の道具ですよね。
でもですね、塾長は子どものころ、このエピソードを見てふと思ったのです。
「もし世の中にそんなものが普通に存在していたら、大変なことになるんじゃないか?」と。
生徒の誰もが使うようになるわけですから、そこから先は、
いかに1枚のパンにたくさんの情報を写し取るか
どうやったら、できるだけ大量のパンを食べられるか
いかに、消化・排便を遅らせて記憶をキープするか
といった勝負になってしまいます。
つまり、本来のテスト内容とはまったく関係のない「アンキパンの使い方をどのように工夫するか」で成績が決まり、他人と勝負する世の中になってしまうのです。
「効率の良い使い方」や「成果の出る食べ方」について、保護者が我が子に教えたり、塾で対策講座が開かれたり、最後には学校の先生までもが、勉強ではなく「パンの食べ方」を教えることになるのでは……。
子どものころ、そんな妄想をしていました。
ところで、時は流れて今やChatGPTをはじめとする「AI全盛」の世の中です。
大学入試の自己推薦書、テーマがあらかじめ与えられている小論文、就職活動のエントリーシートなどなど……。
世の中のすべての人が使える「便利なツール」が登場した今、それを使うこと自体はもはやアドバンテージにはなりません。
「どうやって、どのように使うのが最も効率的か」を考えなければいけない時代になりました。
そして今、塾や学校の先生は、まさにその「AIの使い方(扱い方)」を指導しなければいけない状況になっています。
子どものころにアンキパンを見て妄想した「手段のハック(効率化)ばかりを競う世の中」が、今やAIという形で目の前の現実になっていることに、我ながら驚愕しています。
今はまだまだ過渡期であるため、教育現場も含めていろいろな面で問題が生じています。
果たしてこれから先、AIはどのように人類の生活に浸透し、私たちはどのように共存していくのでしょうか。
興味半分、不安半分で見守っています。
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