【竜操教室 塾長日記】関数と「変化の割合」の大切さ
中学2年生の2学期では一次関数、そして3年生になると二次関数を学びます。
どちらの関数においても、非常に重要な公式が「変化の割合」です。
変化の割合とは、「(xの増加量)分の(yの増加量)」で表されます。
この「増加量」というのは、2つの数値を比較して、どれだけ増えたか(あるいは減ったか)を計算することです。
ここ、すごく大事なポイントです。
数字を比較することで、はじめて「増えた」「減った」といった変化を判断できるんです。
たとえば、「テストで80点を取りました!」と言われても、前回が100点だったのか60点だったのかによって、その評価はまったく違ってきますよね。
つまり、過去との比較があってこそ、はじめて評価が可能になるのであって、単体の数字だけでは正しい評価はできません。
よく塾のホームページなどで、「90点取りました!」「平均点より20点高いです!」といったアピールを見かけますが、こうした数字の変化に触れていない場合、それは本質的なアピールにはなっていません。
数字を見るときには、ぜひ注意してほしいところです。
また、学校の学年平均と、塾内の少人数の平均を比較して「ほら、20点も高い!」と自慢しているケースもよく見かけます。
しかし、学校でクラス単位の授業を担当している塾長の立場からすると、これも少し違和感があります。
平均というのは、母数(集団の構成)がどうなっているかが非常に重要です。
塾長がどんなに素晴らしい授業をしていても、あるいは逆に授業が不十分だったとしても、クラス全体の平均点はそのクラス全体の実力を反映したものであり、それ以上でもそれ以下でもありません。
当然、クラスの上位の生徒だけで平均を取れば、全体平均より高く見せることは簡単にできます。
つまり、「塾内平均が高い」という事実は、「優秀な生徒が集まっている塾である」というアピールにはなるかもしれませんが、「塾の授業によって成績が伸びた」という証拠にはならないのです。
数字というのは、どう見るか、どう見せるかによって印象が大きく変わります。
だからこそ、数字の本質を見抜く力を身につけるためにも、関数だけでなく数学全般に強くなることが大切だと、塾長は考えています。
一緒に頑張って勉強していきましょう!
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