【竜操教室 塾長日記】作文の宿題って、どうするのがいいんでしょう。
夏休みの宿題といえば、作文や感想文を思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし、AI全盛の今、それが果たしてどれほど有効な宿題なのか――そんな疑問を抱いてしまいます。
例えば、1000文字程度の作文なら、テーマさえ指定すればAIが簡単に文章を作成してくれます。
小学生向けに幼稚な表現で、といったリクエストにも応えてくれますし、カスタマイズはほぼ自由自在です。
そのまま丸写しする生徒もいれば、自分なりに少しアレンジする生徒もいるでしょう。
テーマ選定だけに使う、タイトルを考えてもらう、誤字脱字の校正を任せる、ヒントを得る――といった利用方法も考えられます。
AI登場以前、私たちはどうやって作文を書いていたのでしょうか。
資料を集めたり、漢字を辞書で調べたり、他人の作文から表現を引用して真似してみたり――そんな地道な努力をしていたはずです。
「ちゃんとした作文を書こう」と思えば思うほど、ゼロから完全に自力で書き上げることのほうが、むしろ珍しかったのではないでしょうか。
要するに、自分の頭の中以外の力に、どれだけ頼るのかという“程度”の問題なのだと思います。
もちろん、100%丸投げの丸写しがダメなのは当然ですが、「何の資料も見ないで、何の下調べもしないで、完全に自力で書かなくてはならない」というわけではないでしょう。
「学ぶ」の語源は「真似ぶ」から来ていると言われます。
絵や作文は、まさにそれを体現した営みでしょう。
だからこそ、これからもAIの使用の是非をめぐって、議論が続いていくのだと思います。
正解は、まだ誰にもわかりません。
0コメント