【竜操教室 塾長日記】転ばぬ先の杖は、何度か転んでから手に入れるべき。
学校の幾何の授業で、中1に三角形の内角と外角の関係について教えています。
外角は、それと隣り合わない2つの内角の和に等しい。
言われてみれば当たり前、しかもこれを使えば計算が簡単となれば使わない手はありません。
でも、小学校の教科書では習いませんし、知らなくても計算はできます。
ただ、いちいち三角形の内角の和から角度を求め、さらに一直線の180度から引いて求めるという面倒なやり方をしていた子にとってみれば、そんな簡単なやり方があったんだ~!と感動するはず。
面倒なやり方を繰り返す中で、もっと簡単なやり方は無いのかを考えて、実際にそれを見つけて感動する。
算数・数学には、そういう小さな感動の積み重ねが大事だと塾長は思います。
でも、中学受験指導をくぐり抜けてきた生徒だと、そんなもん当たり前の話やんか、オレ知ってるし~って、授業中ドヤ顔をしてるんですね。
で、そういう生徒に、じゃあなぜそうなるの?と聞くと、答えられない。
塾でそう習ったから、そうなるんです!
もちろん、ちゃんと答えられる生徒も居て、そういう子はなんの問題も無いですが。
受験指導になると、面倒な解き方をさせないように先回りして簡単なやり方を教えてしまうという場面がよくあります。
内角と外角の関係にしても、塾では、角度計算の問題を十分にやり込む前に教えてしまうんですよ。
他にも、早く、楽に解くためのいろいろな公式や工夫があるのですが、塾の傾向として、それを本人が苦労する前にあらかじめ教えてしまうのです。
その方が効率的と言えば効率的ですが、成長のそれぞれのステージにおいて、ある程度の試行錯誤をしておかないと、いざというときの馬鹿力は出ないと塾長は思います。
それに、その公式や工夫だって、それを使用することによる効果(つまりどれぐらい楽ができるのか)をよくわからないまま教えられても、定着しにくいわけで・・・
転ばぬ先の杖というのは、転んだ経験があるからその価値を感じられるものですから。
言い方は悪いですが、最初はある程度転んで痛い目をしてもらってからのほうが良いのです。
そうしとかないと、高校数学になっても、常に楽なやり方や簡単な公式のみを追い求めて、ガツガツと非効率的なやり方でなんとか答を導き出すということができない生徒に仕上がりますからね。
小中高と一貫で見ていると、そういうのが見えてくるんです。
数学を得意になるには、効率的で簡単で楽に早く解けるスマートなやり方を身に付けることも大切ですけど、それ以上に、非効率的で面倒で複雑で大変な解き方でもガツガツやり切る力をぜひ身に付けて欲しいと思います。
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