【竜操教室 塾長日記】対策プリントと言うけれど・・・

自己診断テストを明日に控えて、普段授業の無い3年生たちも自習に来ています。


もう前日だというのに、今日になって初めて、


「先生!対策プリント無いの?」


そう聞いてくる生徒が、居ます。


彼らの頭の中では、前日にちゃちゃっと覚えたらそれだけでそこそこの点数が取れるような便利なプリントが存在していると思っているのですね。


そんなもん、あるわけねーじゃろっ!(-_-メ)


実は、


最近特になのですが、中学校の定期テストで対策プリントなるものが大流行りです。


昔から、塾が学校のテストを予想して対策プリントを作成したり、予想問題を作成したりということはありましたが、最近のはそれとちょっと違います。


定期テスト前になると、学校で学校の先生が対策プリントを用意してくれるのです。


出題する先生自身が対策プリントを作るわけですから、当然、そのまま出題される確率がとても高い問題ばかりです。


類題というようなレベルでなく、まったく同じ問題ということも珍しくありません。


実際、直前に配られたB4版両面2枚の対策プリントから、100点中80点分くらいが出題されているというとんでもないことが起きています。


これって、要するに定期テストをする前に、出題される問題そのものを教えてあげているようなものです。


下手をすると、90点以上の生徒がクラスの3分の1以上になるような、小学校のカラープリント並みのテストになってしまいます。


この超簡単な定期テストが、ここ数年で公立中学の主流になりつつあるのです。


その簡単な定期テストに慣らされている生徒たちは、それこそ、範囲の広い自己診断テストにも常に対策プリントが用意されていて、そこには出題される問題とまったく同じ問題が載っている・・・と本気で思っているのですよ。


こちらで単元を絞って、類題を厳選して対策プリントを作成して、しかもその中から実際に出題されているにも関わらず、


「先生、〇〇って出んかったよ!」


と、自分が覚えた用語がひとつ出題されなかっただけで、本気で文句を言ってくる子まで居ます。


高校で指導をしていても、中位の成績の生徒たちですら、自分で考えて自分で勉強をするということができず、言われたことをただ勉強するだけの子たちが年々増えてきているように感じます。


もちろん、なかなか点数の出ない子たちに点を取らせてあげたい先生の気持ちはよくわかるのです。


平均点なんて取ったことの無い生徒でも、その対策プリントを数時間じっくり暗記すれば、今まで取ったことの無いような点数が取れて、大喜びです。


それが次の勉強へのモチベーションにつながることもあるでしょう。


でも、小テストのようなものならまだしも、学校の定期テストはもっと厳粛に行わなければいけないものと思います。


まったく同じ問題を対策と称して事前に配るようなことはできるだけ止めるようにして欲しいです。


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