【塾長日記】学校が最先端のICTを導入したくてもできない理由。

今日、郵便受けを見ると、教育向けITの展示会のご案内が来ていました。


セルモはパソコン教材を授業で使っていることもあって、塾長はどちらかというとICT推進派です。


入れられるものなら、最先端の教材、最先端の機器を入れて、少しでも効率的に成果を上げたいと考えています。


その流れで言うと、学校の指導現場でも、もっともっとIT化を進めたら良いのに・・・と思うこともよくあります。


黒板だって、いつまでチョークで書き続けるのか。


教科書やノートだって、いつまで紙媒体でやり続けるのか。


LINEのようなコミュニケーションツールをもっとうまく授業や学校運営に取り入れられないのか。


などなど、いくらでもITで効率化できそうなところがあります。


が・・・、事はそう簡単でないということもなんとなくわかってきました。


一番の問題は、最先端の技術というのは、あっという間に時代遅れになってしまうばかりか、すぐにまったく使えないものになってしまう危険が大きいということではないかと思うのです。


記憶媒体の進化を見ているとよくわかるのですが、進化していく中で、短期間のうちに出てきては消えていった物ってたくさんあります。


カセットテープはまだ利用期間が長かったですが、MDとか、DATとか、それなに?と言っている間に消えていってしまったじゃないですか。


次世代の技術というのは、世に定着するかしないかが最初はわかりません。


だからと言って、定着してから使っていたのでは一歩遅れてしまいますし。


学校現場に置き換えてみると、例えば黒板ですが、もし今最新の電子黒板に置き換えた時、果たしてその電子黒板はいつまで現役で使えるのでしょうか?


テレビで言うところの”プラズマテレビ”みたいに、アッという間に世の中から消えてしまうような技術であれば、すぐに使えなくなってしまって、費用面で大打撃です。


それに、指導内容だって、やっと教員が使い方に慣れて成熟してきたころには、すでにその機器そのものが大きく時代に取り残されてしまっている可能性だって大いにあります。


その費用や手間をかけただけの効果があるならそれでも良いと思いますが、その効果を検証する前にもっと新しい技術が出てきてしまうので、結局、効果が無ければそれまでだし、効果があってもより新しい技術に置き換えられてしまって、時代遅れということになりかねません。


うちのような小さな教室であれば、そうなったらその場ですぐに別の技術に乗り換えるなど、いくらでも対応できますが、規模の大きな学校現場ではとてもそうはいきません。


さらに、それが公立学校であれば、予算の問題もあるのでなおさら動きが鈍くてどうしようもないでしょう。


というわけで、そんなことを考えていると、何も前に進められないし。


結局、塾長が子供の頃の40年前とさほど変わらない教室で、40年前とさほど変わらない黒板とチョークと紙媒体の教材を使って、40年前とさほど変わらない授業が今でも行われているということになるわけですね。


我が母校の小学校に通う娘の授業参観に行くと、校舎も当時と同じなこともあって、授業風景のあまりの変わらなさにちょっとめまいがします。


そうは言っても、先生の事務作業の面では、何でも手作業の昔に比べ、パソコンが入り、メールが入り、スマホが入り、いろんなIT機器の進化でより効率化されているはずです。


少なくともこの効率化が、授業内容や品質の向上につながっているのであれば、まあ良しというところでしょうか。


それにしても、


自分の孫が小学校へ上がる頃には、授業風景が今とは違ったものになっているのか、それともほとんど変わらないままなのか、とても興味があります。


たぶん、黒板とチョークはそのままなんだろうな・・・。


個人的にはまず↑コイツをもっと進化させて欲しいです。





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