【竜操教室 塾長日記】確率の勉強っていろいろな面で大事だと思う

コロナ・・・・落ち着いてきましたね。


このまま落ち着けば良いのにと心から思います。


ところで、こんな問題解いてみませんか?


コロナに罹っているかどうかを検査してくれる新しい検査キットが発売されました。
この検査キットですが、コロナに罹っている人はこの検査を受けると90%の確率で陽性と判定されますが、10%は間違って陰性と判定されます。
また、コロナに罹っていない人がこの検査を受けると90%の確率で陰性と判断されますが、10%は間違って陽性とされます。

さてここで、実際のコロナの陽性者率が1%のとき、この検査で陽性と判定された人の中で実際にコロナに罹っている人の割合はどのくらいになるでしょうか?


1万人の住民が居る街でこの検査を全員に実施したらどうなるでしょうか。


本当にコロナに罹っている人は1%なので100人ということになります。


その100人がこの検査を受けると、90人が陽性で10人が陰性とされてしまいます。


また、コロナに罹っていない健康な人9,900人がこの検査を受けると、そのうちの10%の990人が陽性(偽陽性)と判定されます。


住民全員が検査を受けたら、90人(陽性)+990人(偽陽性)で、全部で1080人が陽性と判定されますが、そのうち本当にコロナに罹っているのは90人ですから、確率は約8.3%(12分の1)しかありません。


90%という高い精度の検査をして「陽性」と言われても、本当に陽性なのはそのうちの12人に1人しか居ないという・・・・


検査だけで感染率の低い病気の陽性者を見つけ出すのは簡単では無いという、確率の単元では結構有名な問題です。


まあ、それでも「陰性」って判断されればかなり高い確率でコロナには罹っていないということは証明できますが。。。。(それでも100%ではありません。)


ただ、実際に行われる検査の偽陽性・偽陰性の率はもっともっと高いのです。


なんでもかんでも全員に検査をすれば良いというものでは無いということですね。


ちょっと前まで、「とにかく全員に検査を実施しろ!」みたいな意見が大勢を占めている時がありましたが、専門家は除いて、その主張をされている一般人のうち、どの程度の人がこの高校生レベルの確率論を理解しているのか、ずっと疑問に思っていました。


このところ、第6派に備えてまた検査体制の充実が謳われていますが、絨毯爆撃のような検査があまり意味を持たないことは、一般人の常識レベルとして理解しておかなければと思います。

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