【塾長日記】「先取りの罠」 ”先行”は”逃げ切り”とセットでないと意味がありません。

春期講習では、新学期の内容を先取りしていく塾が多いようです。


うちは、生徒の状態によって違うので、先取りする生徒もいれば、ひたすら復習している生徒もいますけど・・・


他人より先に進んでおきたい、そういう気持ちはよくわかります。


お前まだ知らないの?


俺、もうこんなことやってるんだぜ~。


・・・と口に出して言うかどうかは別にして、”先取り”という言葉には、少しだけ優越感に浸れるマジックが隠れています。


勉強のやり方なんて人それぞれなので、別に先取りでも復習でも、本人が前向きに取り組めればどちらでもかまわないと塾長は思いますが、ともかく、”先取り”には一つ注意が必要と思っています。


どの学年もそうですが、1学期の内容は比較的簡単な単元が多いです。


しかも、それを学校で習う前に春休みに先取りしてしまうので、さらに超簡単なイメージで学校の新学期の授業を聞いてしまうようになるかもしれません。


な~んだ。学校の授業って、こんな簡単なの???


と思ってしまう生徒も多いでしょう。


そこからですよ、問題なのは。


学校の授業が簡単だと感じるのは、すでに先取りをしていたからです。


その分、余裕があるからです。


その余裕を何に使いますか?


もしその余裕を、単に余裕として自分が楽をすること使ってしまえば、あっという間にその余裕は消えてなくなります。


こんなの簡単だから、別に先生の話なんて聞いてなくてもいいや・・・課題も適当でいいや・・・なんてことになると、


簡単だと思っていたはずの授業が、気が付くといつの間にか簡単でなくなり、逆に難しいと思うようになってしまうでしょう。


春休みにできる先取りなんて、たかが知れています。


先取りによって得られたせっかくの余裕は、さらなる先取りに向けて欲しいのです。


余裕があるからと言って、緩めずにやり続けること。


そうしないと、先取りをしている意味がないと塾長は思います。


最近は英語を小学生のうちから本格的に習う子が多いです。


中には、小学生のうちに英検で4級や3級を取得してしまう子も居ます。


そういう子にとって、中学校の英語の授業、特に1年生の間は簡単すぎてつまらないものかもしれません。


何にもしなくても、1年生のテストはほぼ100点が取れてしまうでしょう。


ところが、何にもしなくて良いのだからと言って、何にもしないままにしていると、2年生になり、3年生になったところで、中学校から英語を始めた友達と差がほとんど無くなってしまいます。


いや、それどころか学校の授業を疎かにしていたことで、基本の抜け漏れがそのままになってしまい、いつの間にか英語が苦手教科になっていることさえあります。


小学生の時は、あんなに英語ができていたのに・・・


そういう例をとてもたくさん見てきています。


小学生で英検3級や4級を取得したのは、その子が優秀だということもありますが、それ以上に”先取り”していたからという要素の方が大きいと思います。


せっかく先取りをしていたのですから、本来はそのまま中学生になっても緩めずに先取りをやり続けて、準2級、2級へとステップアップをしていくべきなのですが・・・


緩めちゃう子もかなり多いんですよね。


要するに、ただ先取りをしていれば安心ってわけではないということです。


やるべき時にやるべき事をやり続ける


特に、 ”やり続ける” が大切と思います。


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