【塾長日記】大人になってから本当に役に立つのは”確率”と”データの分析”で決まりでしょう。
高校1年生の数学Ⅰ。
県立普通科はすでに数Ⅱに入っているようですが、指導要領のペースで行くと、まさに今が”データの分析”を習う時期です。
度数分布表とか、ヒストグラムとか、平均値とか中央値とか、
なんだこれ、中学で習ったやつじゃん!という感じで皆舐めてるんですけれど、
実はこの単元、奥が・・・深い???
いやいや、全然深く無いのです。
覚えることも少なく、問題パターンも少なく、常識的な用語も多いので、かなりとっつきやすい単元でもあります。
舐めてたらダメですけどね。
舐めてなかったら全然大丈夫な単元なので、しっかり理解を深めて欲しいと思います。
センターでもきっちり15点分出題されますから。
それに、この単元は大人になってから、社会に出てからも、とても重要なところだから、特に数学嫌いの生徒たちもしっかり聞いて欲しいと思っています。
いつも平均値と中央値を教えるところでお話をするのですが、
働いている人の平均給与が400万円のA社と600万円のB社があって、仕事内容や待遇など他の条件が同じだったら、どっちの会社が良いですか?
皆、当然平均給与の高いB社の方が良いと思っちゃいますよね。
でも、もしかするとA社は全員が400万円のフラットな会社で、B社は10人中9人が100万円しかもらってなくて、そのかわり10人のうちたった1人だけが5100万円をもらっている格差の超激しい会社かもしれないじゃないですか。
これが”平均値の罠”というものです。
話を変えると、
例えば、クラス全員のお小遣いの平均額を考えるとします。
最近の高校生はいくらもらっているのか知りませんが、せいぜい数千円から1万円ぐらいの間でしょう?
ところが、このクラスに一人だけアラブの石油王の御曹司が紛れていて、
俺、お小遣いは10億円なんだよね!
って言い出したら、平均額ってとんでもないことになっちゃいます。
これが”平均値の罠”なんです。
要するに、平均値は飛びぬけたデータが混じっていると、実態を表しにくくなるわけで・・・
どちらの事例も、平均値ではなくて中央値を見ればもう少し実態がよくわかったかもしれません。
いつも言うことですが、このようにデータというのは分析の仕方でどのようにでも印象を変えられるものです。
だからこそ自分がしっかりデータの意味を理解して、賢く対応することが大事だと思います。
そのための基礎知識を学ぶのがこの単元。
正弦定理や余弦定理を知っていても、社会に出てしまえばほとんど何の役にも立ちませんけどね。
データの分析で習うことは、ちゃんと理解すれば、必ず社会に出てから役に立ちます。
他に役に立つのは、数Aの確率ですね。
数学がどんなに嫌いでも、どんなに苦手でも構いませんが、少なくとも将来できるだけ損をしないで済ませようと思うなら、これらの単元だけでもしっかり聞いておいて欲しいと思います。
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