【塾長日記】文章題を解くのに、いきなり筆算を書き始めるのは大問題なのです。
計算問題を、何でもかんでも筆算で解く必要はありません。
計算が早く正確に解ければ、わざわざ筆算を書く必要も無いし、書くとしても必要な部分だけ、つまりメモ書きのようなものでも、何の問題もありません。
数学の力を伸ばそうと思ったら、暗算力を伸ばすことも大切なこと。
暗算でも解けそうな問題をいちいち筆算で解かないと解けないというのは、それだけでハンデです。
どの問題まで暗算で解くべきかは、その子の学年や能力によって個人差があるので一概に言えませんが、筆算しなくても解けるものをわざわざ筆算させることはないのです。
目的は、早く正確に解くことですから、その目的に応じて暗算したり筆算したりを選択すれば良いのです。
筆算と同様に、必要の無い途中式もできるだけ省くべきと思います。
無駄な途中式を書く過程で、転記ミスが発生していたのでは、意味が無いですから。
ただ、勘違いして欲しくないのは、今言ったことは計算問題を解く上での話だということ。
特に文章題などの応用問題を解く上では、計算の途中式や筆算を省くのは構いませんが、最初の立式を省くのは絶対にダメだということです。
小学生に文章題を指導していると、文章中に出てくる数字を2つ抜き出して、いきなり筆算の式を書いて、出てきた答を何も考えずに答えるという場面によく遭遇します。
文章なんてほとんど読んでないですから、文章中に3つや4つ数字が出てきているにも関わらず、その中から適当に2つを抜き出して、式も立てずに筆算をするというのも平気です。
そういう状態なので、まずひとつの式があって、そこから出てきた答を使って次の式があって、さらにその答からまた式を作るというように、立式が2重3重に必要な問題になると手も足も出ない子が、大勢います。
それは、文章題を読んで内容を理解し、そこからひとつひとつ立式をした上で問題を解くという手順を踏んだ訓練がほとんどできていないからです。
小学校の教科書の問題やテストは、足し算なら足し算、掛け算なら掛け算というように式の形がほとんど決められていて、しかも問題文に出てくる数字は2つだけで、いきなり筆算をして解いても正解するようなものばかりです。
今日は足し算の日・・・となったら、計算問題だろうが、文章題だろうが、小数だろうが分数だろうが、機械的に足し算をするだけで答が出るのですから、立式なんてしなくてもいきなり筆算すれば良いということになります。
そんな勉強を毎回続けていたら、立式の癖は絶対につきません。
算数や数学の応用問題を解くためには、まず、どうやって解くのかという方針が必要です。
特に文章題の場合、それが式を立てることによって表されるのです。
だからこそ、筆算や途中式は省いても構いませんが、最初の立式だけは絶対に省いてはいけないのです。
筆算や途中式を省くか省かないかという話とは別問題ですので、混同してしまわないようにして欲しいと思います。
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