”便利な公式の落とし穴”

数学には便利な公式というのがあります。たとえば円すいの側面積ですが・・・、底面の円の半径×母線の長さ×πというめっちゃ簡単な計算式で求めることができます。ブログでは計算式を書くのが面倒なので、どうしてそうなるのかの解説は省略しますが、とにかくこの簡単な式だけで側面であるおうぎ形の面積を求めることができるのです。え～？そんなの学校の先生は教えてくれなかったよ！と言う人が居るかもしれません。そんな簡単な方法があるなら、最初から教えてくれればいいのにと思うかもしれません。でもね。塾長が学校の先生だとしても、この公式は全体にはおそらく教えないでしょう。数学の問題を考える上では、論理思考の手順というものがあります。円すいの側面積の求め方についても、まず、その論理思考から入ることが大切です。まず展開図を書いて、側面の弧と底面の円周が同じ長さになることを利用して、どのような形のおうぎ形になるのかを計算し、その上で面積を計算するそういう思考の流れがあるわけです。こうやったらああなって、ああなったらそうなって、そうなったからこうなりました。そういう論理的な思考の訓練をしていると言ってもいいでしょう。その思考の過程の中で、たとえば円すいの側面積であれば、展開図がどうなるのかとか、円周と面積の公式がどうだったのかとか、組み立てるということはどことどこが同じ長さになるのかとか、だから結局おうぎ形は円の何分のいくつになるのかとか、なので面積はどうやったら計算できるのかとか、そういうひとつひとつの細かい知識の理解度の確認をしていることになるのです。要するに、円すいの側面積を求めるという問題を解いていながら、関連する他の知識も勉強しているわけで、こうした論理思考の積み重ねが応用力を鍛えることにつながっていくのだと思っています。もちろん、それらがすべて定着しているぐらいレベルが高いのであれば、簡単に解ける公式を知っておくことも重要ですけどね。ところが世の中には、そういう論理的な思考の流れを無視して、いきなり結論である”便利な公式”を教えて悦に入るような先生も居るみたいなので・・・とりあえず、”便利な公式”は万能ではないので、使い方をよく考えないとダメよ(-。-)y-゜゜゜とだけ言っておきます。本年度より漢検を当教室で受験していただけるようになりました。塾生以外の一般の方の申し込みも歓迎いたします。次回は6月19日（日）です。

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