【竜操教室 塾長日記】無料だから・・・やるってわけじゃない。

いつも面談でお話することなのですが・・・


ラーメン屋が「本日無料!」って看板を出したら、すぐ大行列になるでしょう?


でも、塾屋が「本日無料!」って看板を出しても、ふつう行列にはならないんです。


うちの塾は、自習は無料なんですけどね。


自習室が満員御礼になることなんて、めったにありません。


それはもう欲求の問題なので。


もちろん、どうしても勉強をしたい!と思っている生徒は、ちゃんと自分でやりますよ。


やれることはたくさんあるんです。


その上で、足りないところをお金を払って市販の問題集や塾で補っているのです。


だから、そういう子にとっては、有料だったものが無料になれば、それはとてもうれしいことに違いありません。


うちの自習室だって、無料なのを良いことに、まるで自分の勉強部屋のように使う生徒も中にはいます。


でも残念ながら、そんな自律的な生徒は多数派ではないのです。


今学校では、突然の長期休みに対して、「うちの子の勉強はどうするんだ?」という保護者の声を抑えるのに、とりあえず山のような宿題を出しているところが大半です。


山のように宿題を出しておけば、その山がどんな山なのか、登りやすいのか、登った達成感はあるのか、そういった中身にまで目を配る保護者は多くありませんから。


今回は、できなかった授業分の教材もあるので、それをまとめてドン!って出されたら、相当な量になるのは当たり前。


これで安心と思いきや、その宿題の山を途方に暮れて見上げている子供たちに、その横に、問題集購入や追加のオンライン授業やなんかで、何も考えず別の「山」を積み上げようとしている保護者が居るというのが今の状況です。


いや、大事なことですけどね。


でも、それって子供たちの負荷の状況や、その子供にとっての必要性をちゃんと考えているかってことが心配なのです。


大事なのは、それがどんなに魅力的で、どんなに登りやすくて、どんなに達成感が得られる「山」であっても、やらされる子供たちに、それをわざわざ登ろうとする気力が起きるかどうかってことです。


一般的な生徒にとっては、まずは、目の前の山を片付けることが最優先です。


その山を登るのにも体力が持つのかどうか心配なぐらいなのに、登る前からさらにべつの「山」を横に積み上げられたらどうでしょうね。


勉強はただ負荷をかければなんとかなるってものではないです。


やらないといけないものはやらないといけないですが、でも、もし、勉強は嫌々やらされるもの・・・そう思うようになってしまったらもう終わりです。


ともかく、今の状況においては、いろんなサービスに飛びつく前に、まずやらないといけないこと(つまり宿題ですけど)がどの程度あって、その負荷がどの程度なのか、考えた方が良いですよってことです。


本当に登りたければ、ちゃんと別の山を自分で見つけてきますから。


そうなるようにもっていくことを目指さなければと思います。

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