【竜操教室 塾長日記】フォローはすべて丸投げで良いのかという問題。

3学期もそろそろ終盤ですが・・・


各高校普通科の1年生の数学の進度を見ると、どこも結構な速さで授業が進んでいることがわかります。


朝日なんて、もう数Ⅱ(もちろん数Ⅰはとっくの昔に終了)が半分終わってます。


朝日ほどでないにしても、今のペースは、もし文系だとすると、すべての履修内容が2年生の秋には終了して、あとは入試まで余裕を持って復習を繰り返す・・・


そういうペースですね。


大学進学を目指している普通科であれば、どの学校も、もうこのペースが標準のようになっていますが、これって、いったいどのレベルのどんな生徒に対する最適ペースなのか、塾長はいつも疑問に思います。


国公立難関校を目指して、センターでも8割以上の得点率を目指すような生徒は、このペースで良いと思いますが、それ以下の生徒にとってはどうでしょうね。


この早いペースについていけず、置いてけぼりをくってしまう生徒もかなり多いのでは?と思います。


いやいや、だから後で復習を繰り返すんだよ・・・という意見もあると思いますが、大学進学において、「数学」は必須ではありません。


それに、まだ1年生のうちに文系理系選択を迫られる事情もあります。


もし1年生の段階で大きく出遅れてしまえば、後々巻き返すだけの実力はあるかもしれないのに、そのまま「数学」をあきらめて、「数学」を必要としない進路選択をしてしまうということも充分に考えられます。


中高一貫校であれば、さらに早いペースで授業が進みます。


実際、一貫校では数学が苦手で全然テストで点が取れないので、中学段階ですでに文系私大を目指すしかないと決めてしまうような生徒が、実は、普通の公立中のレベルの問題をやるとトップレベルの力を発揮できて、もし公立にそのまま通っていたら理系進学をあきらめなかったかもしれないってことは充分に考えられます。


あまりに早いペースは、それについていける子には良いかもしれませんが、コンスタントな力はあるのにちょっとだけペースが遅いという有望な生徒を振り落とすことにもつながっているのではと思います。


マラソンで記録を狙うためにあるペースメーカーは、トップを引っ張るだけで後が脱落しようと気にしなくても良いですけどね。


高校数学の授業進度については、目指す目標や本人の実力によって、何パターンも速さの違うペースメーカーを用意してあげないといけないのではないかと思います。


今はその役目を塾や予備校が請け負ってるわけですが・・・

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