【竜操教室 塾長日記】「紙の辞書限定」は、ただの思い出補正だよね
毎年この時期になると思うのですが、そろそろ紙の辞書の“限定”はやめてほしいと感じます。
紙の辞書にも良いところは確かにあります。しかし、悪いところだってたくさんあるのです。
重たくて持ち運びに不便だし、かさばるし、一度書き込むと簡単には消せないし、汚れるし、更新もされない。
それなのに、紙の辞書推進派の人たちは、良いところしか主張しません。
しかも、その「良いところ」というのは、要するに“一覧性”のこと。
調べた単語の意味だけでなく、周辺の語、例文、文法的な用法が同時に目に入り、知識が立体的に定着しやすいとか。
辞書のどの位置(右下、左上など)に載っていたかという物理的な感覚で単語を覚えやすいとか。
目的の単語を探す過程で、他の語句や表現が目に入り、語彙力が自然と強化されるとか。
既知の単語にマーカーを引くなど、自分専用の辞書に育てることで、復習の効率が上がるとか。
こうしたメリットを挙げる推進派の人たちって、デジタル辞書については、せいぜい昔の電子辞書を触った程度で、スマホやタブレットを辞書として使い込んだ経験がないのだと思います。
実際には、推進派が挙げる「一覧性」「周辺語が目に入る」「物理的な位置で覚える」といった特徴は、現代のアプリ辞書ではかなり再現されています。
・類語・派生語・例文のリンク
・スワイプで前後の単語へ移動
・履歴・お気に入り・マーカー機能
・画像・音声・動画まで付くこともある
紙の辞書の“唯一無二の強み”は、もはや神話に近いのです。
デジタルの進化にまったく追いついていないのに、昔の自分の成功体験だけを根拠にして、今の若者に押し付けるのは本当にやめてほしいのです。
英和辞典・漢和辞典・古語辞典など複数の辞書をカバンに詰めて、毎日持って行って持って帰る。
真面目な生徒ほど、それを真面目に実行するのだから、大変に決まっています。
若い先生方の意見が通りにくい、硬直した職場なんだろうなあ……。
そりゃあ、成り手不足にもなるだろうなあ……。
と、塾長は思うのです。
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