【竜操教室 塾長日記】なんでも平均すれば良いというものではありません。
今日のニュースで、衆議院議員の平均資産額が公開されていました。
資産額の上位3人は、以下の通り。
1位 自民党の神山佐市氏(埼玉7区)で9億3071万円。
2位 自民党の逢沢一郎氏(岡山1区)で5億10万円。
3位 自民党の麻生太郎副総理兼財務相(福岡8区)の4億8682万円。
少ない方で目立つ人をあげると、立憲民主党の枝野幸男代表は132万円で、希望の党の玉木雄一郎代表は資産ゼロなのだそうです。
どこまで実質の数字なのかわからないという批判はもちろんあるとして、それよりも塾長が問題だと思うのは、これだけ上位と下位の金額に差があるにもかかわらず単純に平均して経年比較をしたり、各党比較、地域での比較をして論評するマスコミ報道ではないかと思います。
前回までの平均資産には、死去された鳩山邦夫元総務相の30億円が入ってましたからね。
この影響もものすごく大きいわけで・・・。
前回比で平均で約546万円減ったと言っていますが、鳩山さんの抜けた影響を考えると、逆に増えていることになります。
それに、衆議院全体465名の平均ならまだしも、これを岡山の衆議院議員数人だけで平均してしまうと、逢沢氏の5億円の影響がものすごく大きすぎて、経年で比較したとしても他の人の資産の動向などはまったくわからないというのが現実です。
いつも数学のデータ分析の授業で生徒たちに話すことなのですが、単純な平均値はそのデータ全体の傾向をきちっと表すとは限らないわけで、この資産額公開のニュースなどはまさにその典型と言えるのではないかと思います。
例えば、中学生のクラス40人の平均のお小遣い額を計算したいときに、たまたまそのクラスにアラブの王子様が在籍していて、
「俺、普段のお小遣いは毎月1億円ぐらいだぜ!」
ってことになると、この王子様ひとりのせいで、クラスのお小遣い額の平均がとんでもないことになってしまうでしょ?
そこまで極端ではないにしろ、少ない人数で平均するときに、桁が違う人が1人だけ混ざっているだけで、データは大きく違ってしまうということを知っていなければいけません。
なんでも平均すれば良いわけではないのです。
だから、以下のような政党別の順位付けも、そういう状況を理解した上で分析しないと、ほとんど意味が無いと思うんですけど・・・
政党別衆院議員の平均資産額
(1)自由党=1億903万円
(2)自民党=3735万円
(3)民進党=2502万円
(4)社民党=2468万円
(5)立憲民主党=1946万円
(6)公明党=1088万円
(7)希望の党=1056万円
(8)日本維新の会=588万円
(9)共産党=526万円
○無所属=5293万円
そのあたりの事情を理解してこのニュースを捉えている人が、世の中にはどの程度居るのだろうとちょっと心配なのです。
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