【塾長日記】奨学金拡充大歓迎！

今朝の新聞に出ていましたが、大学進学者への無利子奨学金を増やして、基準を満たした希望者全員への貸与を目指すそうです。

高校3年生の娘を抱える保護者として大賛成。

とにかく早くして！って感じです。

その他、授業料の減免や給付型の奨学金の拡充も検討されているようですので、そちらにも期待したいところです。

ですが・・・

ですがですよ。

そもそも、大学にそれだけのお金をかけて通う意義というものを、もっともっと考えていかなければいけないだろうと思います。

長女にも、むろん充分に考えさせた上で進学先を決定させなければと思います。

塾長は幸い両親の稼ぎだけで東京の私立大学へ通わせてもらいました。

学費がいくらぐらいかかっているかとか、生活費のための仕送りをいくらもらっているかとか、もちろん金額は理解しているのですが、その価値はほとんど理解してませんでした。

自分のお金じゃないですからね。

まあ、そのぐらい親が出してくれるのが当然と思っていたんだと思います。

だから、せっかく入学した大学の授業はほとんど真面目に受けずに、バイトとサークル三昧の大学生活でした。

それはそれで楽しかったし、価値が無いわけではないでしょうが、何百万円も払ったことに見合う生活ぶりだったかというと・・・

ものすごくもったいない4年間だったことは間違いありません。

そのことに気が付いたのは、卒業して何年も働いて、お金を稼ぐことの大変さが身に染みた後です。

本当に両親には申し訳なかったと思います。

今や、高校卒業生の大学進学率が50％を超え、半分くらいの私立大学が定員を充足できない全入状態。

無利子や低利子とは言え、その大学で4年間学ぶことに、大金を借りてまで通うべき価値があるのかどうか。

大金を借りてまで通う価値を、ちゃんと学生本人が自覚できているかどうかが大切だと思うのです。

そういう意味で、貸与型で本人が返済する奨学金については、どんどん拡充していくべきと思っていますが、一方で給付型についてはもう少し慎重でも良いのかな？と思います。

塾をやっているとよくわかるんですが、たとえ授業料が無料だったとしても、塾に行列ができるかというとそんなことありません。

でも、大学だったら、無料なら行くよ！という人たちは大勢居るでしょう。

残念ながらそれは、無料ならあれもこれも学びたいことがたくさんある！ということでなくて、無料なら高卒ですぐ働くよりも、4年間大学生活を楽しみたい！という方が多いわけで・・・

給付型を増やすことで、結局、定員割れの私学を救済し、学ぶ気の無い学生を増やし、就職できない大卒を増やし、日本全体の生産人口を減らすだけに終わるのであれば、公金を投入する意味がありませんからね。

より優秀で、より真面目に、より勉強したいという人にこそ救済の手が届くように、メリハリをつけた奨学金制度を作っていってほしいと思います。